アジアンツアーがLIVを離れ、主流ツアーへ回帰
アジアンツアーが2026年7月21日、LIVゴルフとの関係を解消し、PGAツアー・DPワールドツアー(DPWT)との三者提携を締結したと発表した。世界のゴルフ業界の勢力図が、また一つ大きく塗り替えられた瞬間だ。
提携の背景:サウジ資金の消滅とLIVの不透明な未来
アジアンツアーは2022年のLIV開幕以前から、サウジアラビアの政府系ファンド(PIF)の支援を受けてLIVと連動してきた。「インターナショナル・シリーズ」と呼ばれるPIF資金の大会群が、アジアンツアーの収益基盤の一翼を担っていた。しかし、そのPIF資金の流れが止まり、LIVの存続自体が不透明になったことで、アジアンツアーCEOのチョー・ミン・タント氏は「6年前の判断は正しかったが、今は状況が変わった」と転換を明言した。
新提携の具体的な内容
- 2027〜2029年シーズン:アジアンツアーとDPワールドツアーの複数大会を共同開催 - 選手の昇格パス:アジアンツアーのオーダー・オブ・メリット上位選手が、DPWTまたはその下部組織「ホテルプランナー・ツアー(旧チャレンジツアー)」のカードを取得可能に - DPWTからは、すでにPGAツアーへの直接昇格パスが存在しており、アジアン→DPWT→PGAというグローバルな選手育成ルートが正式に形成された
共同開催となる具体的な大会は、2026年秋のDPWT 2027年スケジュール発表に合わせて明らかになる予定だ。
LIVへの打撃:ナショナルオープンと昇降格制度の喪失
この離脱は、LIVにとって二重の痛手となる。コミッショナーのスコット・オニール氏が描いていた「LIV 2.0」構想では、アジアンツアーが保有する複数のナショナルオープンを核に据える計画だった。また、世界ランキングポイント取得の条件として約束していた昇降格システムを実現するための提携先も失った形だ。
昨年の香港オープン(アジアンツアー主催)を7打差で制したLIV選手のトム・マッキビンが、そのままマスターズと全英オープンの出場権を得た例もあり、ナショナルオープンの格が今後どう扱われるかが注目される。
Strokelabの視点
アジアンツアーの移籍は、単なる提携変更を超え、世界のゴルフヒエラルキーを「アジアン→DPWT→PGAツアー」という一本のはしごとして制度化する動きだ。LIVがどれだけ資金力で対抗しようとも、選手が上を目指す「道」がないツアーには、長期的な人材流入は期待しにくい。
アジアン→DPWT→PGAというグローバル昇格ラダーが制度化されたことで、LIVは「出口のないリーグ」という構造的弱点をより鮮明にした。Strokes Gainedで実力を証明したい選手にとって、今後の進路選択はより明確になるだろう。
この記事の原文
GOLF.com: Asian Tour Breaks from LIV, Joins Forces with PGA Tour and DP World Tour
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