伝説のボールストライカーが残した「たった一つ」のドリル
PGAツアー25勝、オークモントでの最終日63というスコアで全米オープンを制したジョニー・ミラーは、ゴルフ史上屈指のボールストライカーとして知られる。2013年にGOLF Magazineへ寄稿した記事の中で、彼は自身のキャリアを通じて最も効果的だったと断言するドリルを公開した。その名も「ブラシ・ブラシ(brush-brush)」ドリルだ。
ドリルのやり方
1. クラブのトウ(先端)で芝に1本のラインを引く 2. そのラインの真上に構える 3. ハーフスウィングで、ラインのターゲット側の芝をかすかに払う(大きなディボットではなく、軽くブラシする感覚) 4. リズムを刻むように2回連続で行う──「ブラシ・ブラシ」
シンプルに聞こえるが、「正しい場所で芝をかすめる」ためには多くの要素が正確に機能している必要がある。特に重要なのがグリップエンドをラインより前に持っていくこと。ミラーはこう説明する:「ほとんどのアマチュアはグリップのバット(手元)がラインより後ろにある状態で手首を解放してしまう。右足の前でリリースする人さえいる」。
なぜこれが効くのか
グリップをクラブヘッドよりリードした状態でインパクトを迎えると、シャフトはターゲット方向にわずかに傾く。これがいわゆる「シャフトリーン」であり、ボールファーストコンタクト(ボールを先に捉えてからターフを削る動き)の鍵となる。
このポジションが取れれば、フラットなレンジだけでなく、上り傾斜・下り傾斜・つま先上がり・つま先下がりといったコース上の様々なライでも安定した球が打てるようになる。ミラー自身、「ゴルフと関わって60年、このドリルは全てを上回る」と言い切っている。
Strokeslabの視点
このドリルはデータでも裏付けられる概念だ。SG: Approach(グリーンへのアプローチ)で数値を落とすアマチュアの多くは、ダフりやトップによる飛距離のバラつきが原因となっている。シャフトリーンを体感的に習得できるこのドリルは、まさにその根本原因にアプローチする。
SG: Approachを改善したいなら、まずインパクトゾーンの「深さ」を安定させることが最優先。ブラシ・ブラシドリルは、その感覚を最短で体に刷り込む手段として今でも色あせない。