石川遼とブレイズ・ブラウン——ゴルフ界を席巻した10代の天才が、17年の時を超えてKorn Ferry Tourのフェアウェイで交差した。
「彼は19歳の自分より遥かに上手い」
Evans Scholars Invitationalで2日間同組でラウンドした石川遼(34歳)は、19歳のブレイズ・ブラウンをこう評した。「正直に言って、当時の僕は日本ツアーでは活躍できていたけど、メジャーやPGA Tourでどう戦えばいいかが分からなかった。ブレイズは今のKorn Ferry Tourで最高の選手だと思う。プレーだけじゃなく、人間としても素晴らしい」
石川自身の軌跡を振り返ると、この言葉の重さが際立つ。15歳でJapan Tour初優勝、19歳でマスターズT20、20歳で世界ランキングトップ50——華々しいキャリアが約束されていたはずだった。しかし腰のケガもあり2017年にPGA Tourカードを失い、帰国。Japan Tourで再建を続け、現在は通算20勝を積み上げてKorn Ferry Tourに挑んでいる。
ブレイズ・ブラウンが歩む「我が道」
一方のブラウンは17歳でプロ転向という型破りな選択をし、フルタイムのKorn Ferry Tour選手として着実に成長。今年のThe American Expressではスコッティ・シェフラーと最終組で同伴プレーし、CJ Cup Byron Nelsonでは4ラウンド全て60台をマークしてPGA TourのSpecial Temporary Membershipを獲得。現在はKorn Ferry Tourポイントランキング9位につけ、シーズン終了時トップ20に入るPGA Tourカード獲得を目指している。土曜日には62(-10)をマークし、初勝利に向けて視界良好だ。
Strokeslabの視点
石川のコメントは単なる賛辞ではなく、「若い頃の自分に足りなかったもの」への洞察でもある。Strokes Gainedの観点から見れば、PGA Tourで通用する選手とそうでない選手を分ける鍵は「コースマネジメントの精度」と「プレッシャー下でのスコアリング力」だ。ブラウンがKorn Ferry Tourで培っている「go low(低スコアを出す力)」は、まさにその訓練に当たる。石川が指摘する「ここでの戦い方が分からなかった」という壁を、ブラウンはより早い段階でクリアしつつあるのかもしれない。
石川遼の言葉は、Strokes Gainedが可視化する「米ツアーで通用する技術水準」への鋭い自己分析でもある。ブラウンが同じ壁をより早く乗り越えられるかどうか、データで追い続けたい。