リード
サウジアラビアの政府系ファンド(PIF)が2026年シーズン以降の出資を打ち切ると発表した中、LIVゴルフは新たな投資家を探して独自のビジネスモデルを提示する計画を進めている。同時に、資金調達が失敗した場合に備えた破産手続きの検討も報じられており、リーグの存続をめぐる状況は急速に緊迫している。
資金調達の現状
LIVゴルフCEOのスコット・オニールは、リーグ存続のために2億5000万ドル(約360億円)の調達を目指していると報じられた。注目すべきは、オニール自身が以前「黒字化には10年かかる」と述べていたにもかかわらず、今回は「2年以内に黒字転換できる」と投資家に説明している点だ。これはプレゼン向けに楽観的なシナリオが描かれている可能性を示唆する。
PIFはリーグ発足の2022年から5年間で50億ドル超を投資しており、2026年シーズン終了時には累計60億ドル超に達する見込みだ。この巨額投資に見合うリターンが見込めないと判断されたことが、出資終了の背景にあるとみられる。
破産・移転の可能性
Bloombergの報道によれば、LIVゴルフは米国への本社移転を検討している。米国の破産法は事業再生に有利な仕組みを持つためだ。現在リーグの法人はアメリカ・イングランド・ジャージー島に分散しており、戦略的な再編が進む可能性がある。
選手契約の行方
ジョン・ラーム(Jon Rahm)はバージニア大会で「契約はまだ複数年残っており、抜け出す方法はほとんど見えない」と述べた。一方、ブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau)の契約は今季末で満了するが、PGAツアーへの復帰には厳しいペナルティが課される可能性があるとし、もしLIVが消滅してもツアー復帰できない場合はYouTube活動を継続する意向も示した。
Strokeslabの視点
LIVゴルフの危機は単なる財務問題にとどまらず、世界のゴルフ構造そのものを揺るがす問題だ。ラームやデシャンボーのような選手が宙に浮く可能性があり、PGAツアーとの関係再編も含めた「ポストLIV」シナリオを真剣に考える時期に来ている。
PIFの撤退でLIVの財務危機が表面化したが、より深刻なのはラームやデシャンボーら有力選手の「行き場」問題だ。ポストLIVの構造再編がゴルフ全体に与える影響を引き続き注視したい。