レンジファインダーは「正しい数字」を出していない
MyGolfSpyがArccos Smart Laserの350万ショットデータを分析した結果、驚くべき事実が浮き彫りになった。ほとんどのレンジファインダーは旗竿までの直線距離を正確に測定できているが、それは「ショットに必要な距離」ではない、というのが核心だ。
アマチュアゴルファーは平均して1ショットごとに12.4ヤードの「実効距離(plays like distance)」を無視して打っている。全ショットの約半数では10ヤード以上のズレが生じており、5回に1回は20ヤード以上外れている。
傾斜補正では全体の2割しかカバーできない
傾斜補正機能付きレンジファインダーがあれば解決すると思っていないだろうか。データはその期待を裏切る。
傾斜が実効距離の調整に占める割合はわずか19.9%に過ぎない。残りの約80%を占めるのは主に風(持続風35.7%+突風28.2%)であり、次いで気温(12.4%)、標高(2.6%)、湿度(1.1%)と続く。91%のショットで、傾斜以外の要因による調整量が傾斜補正量を上回っている。
距離が伸びるほどズレも大きくなる
| クラブ距離帯 | 平均ズレ | 10ヤード超の割合 | |---|---|---| | 100〜149ヤード(ウェッジ系) | 10.0ヤード | 39.5% | | 150〜199ヤード(ミドルアイアン) | 13.0ヤード | 52.7% | | 200〜249ヤード(ロングアイアン/ハイブリッド) | 15.5ヤード | 61.5% | | 250ヤード超(ドライバー/3W) | 18.5ヤード | 68.5% |
アマチュアが最も苦手とするロングショットほど、ズレが大きくなる点は見逃せない。
同じホールでも日によって23ヤード差
TPCソーグラス17番(137ヤード・パー3)の事例は象徴的だ。Arccos Smart Laserが同一ホールを異なる5日間で計測したところ、ある日は23ヤードのズレ、別の日はほぼ誤差ゼロ、またある日は6ヤードのズレが生じた。傾斜は変わらない。変わるのは風・気温・湿度などの環境条件だ。
Strokeslabの視点
傾斜補正レンジファインダーへの過信は、日本のアマチュアゴルファーにも広く見られる傾向だ。このデータは「正確な距離を測ること」と「正しいクラブを選ぶこと」がまったく別の問題であることを改めて突きつけている。特に風が強いリンクス系コースや標高の高い高原コースでプレーする際には、環境補正の欠如が致命的なミスにつながりかねない。Strokes Gained的に言えば、SG: Approachを底上げするうえで「正しい距離感の構築」は非常に重要なファクターだ。
「正しい距離を測る」と「正しいクラブを選ぶ」は別のスキルだ。SG: Approachを本気で改善したいなら、風・気温・標高を含めた実効距離の概念を習慣化することが、最もコスパの高い取り組みの一つになるだろう。
この記事の原文
MyGolfSpy: 3.5M Shots Prove Your Rangefinder Misses the Real Number Half the Time
MyGolfSpy · 原文を読む →