何が起きたのか
2026年5月1日、ペブルビーチ・ゴルフリンクス(Pebble Beach Golf Links)のキャディプログラムを管理するCaddiemaster社が、キャディの雇用形態を「独立請負業者」から「時給制従業員」へ切り替えた。時給は$17.54〜$24.98(チップ別)で、経験年数と業務量によって異なる。同日、ゲストが支払うキャディ料金も値上げされ、シングルバッグ:$160→$175、ダブルバッグ:$220→$250となった。
キャディ側の主張
ベテランキャディのジャスティン・キピナ氏は、旧制度ではダブルバッグで$188を受け取っていたが、時給制に変わり同等の仕事で収入が減少したと主張する。別のキャディ、マイク・レホッタ氏も「シングルバッグで以前は$132だったが、新制度では$99〜$129程度」と語る。ゲストへの請求額は上がる一方、自分たちの取り分は減っているというのがキャディ側の一致した見方だ。
Caddiemaster側の反論
CEOのダン・コステロ氏は、最初の給与サイクルで全体の総収入が12%以上増加し、キャディの90%以上が以前より多く稼いでいるとするデータを提示。独立請負時代は自己負担だった税金に加え、健康保険・401(k)などの福利厚生が新たに付与されている点も考慮すべきだと強調する。
組合結成への動き
対立は拡大し、キャディの過半数が組合結成を請願。投票は2026年6月18日に予定されている。ただし、キャディ間でも意見は割れており、「もう少し様子を見るべきだった」という声も少なくない。
Strokeslabの視点
Strokes Gainedのデータが注目される時代においても、コースの現場を支えるキャディの労働環境は議論されにくい。Caddiemaster社は1993年創業でオーガスタ・ナショナル(Augusta National)やピンハースト(Pinehurst)など米国最大のキャディ運営会社だが、現在はプライベートエクイティが過半数を保有している点も今回の変更の背景として見逃せない。ペブルビーチでの帰趨は、全米の名門コースにおけるキャディ制度の今後を占う試金石となるだろう。
ゴルフメディアがデータ分析やパフォーマンス指標に注力する一方、コースの現場を支えるキャディの労働慣行はほとんど報じられない。プライベートエクイティが関与する運営会社と現場キャディの対立という構図は、ゴルフ業界の商業化が進む中での重要な論点だ。